ワインの選び方に疑問を持つワイン初心者は多いです。この記事では、ワインの選び方や注意点、おすすめのワインやアイテムを解説します。記事を読めば、最適なワインの選び方が理解でき、幅広いシーンでワインを楽しめます。

- 夫婦ともに日本ソムリエ協会認定の現役ソムリエ
- 仕事以外でも年間100本のワインを飲む愛好家
- 独自に評価基準を設定し、プロ目線で評価
- 男女それぞれの視点からもワインをレビュー



ワインのプロが、初心者の人にもわかりやすく解説します。
ワイン選びの基本


ワイン選びの基本は、味や香り、色合いなどから自分の好みに合ったワインを見つけることです。ワインを選ぶ際の以下の基本を解説します。
- 赤・白・ロゼ・スパークリングの特徴
- 辛口・甘口の違い
- 知っておくべきワインの用語
赤・白・ロゼ・スパークリングの特徴
代表的なワインの特徴を以下にまとめました。
- 赤ワイン
- ライトボディからフルボディまであり、タンニンが豊富です。ステーキやラムなどの赤身肉と組み合わせると、お肉の味わいがより一層引き立ちます。
- 白ワイン
- 軽やかなものからどっしりしたものまで幅広く、フレッシュな酸味があります。魚介類やサラダ、クリームベースの料理との相性が抜群です。
- ロゼワイン
- 色が赤と白の中間の美しい色合いで、果実味が強いです。さまざまな料理にマッチしやすいので、デートやカジュアルなパーティーに最適です。
- スパークリング
- 炭酸が含まれていて、爽快感があります。お祝い事などの特別な場面に向いています。
ワインは種類によって特徴が異なるため、食事やシーンに応じて選びましょう。それぞれのワインの特徴を理解すると、より食事の時間が楽しくなります。
» 赤ワインと白ワインの違いを知っておいしく楽しもう!
» シャンパンとスパークリングワインの違いは何?選び方と楽しみ方
辛口・甘口の違い


辛口と甘口の違いは、ワインに含まれる糖分の量です。辛口ワインは残糖が少なく、すっきりとした味わいが特徴です。甘口ワインは高い糖度を持ち、甘く濃厚な風味が楽しめます。ワインの糖分の違いは、料理とのペアリングにも大きな影響を与えます。
辛口ワインはさっぱりとした食事や塩味が効いた料理におすすめです。甘口ワインは、デザートやスパイスの効いた料理との相性が良いです。ワインには「中辛口」や「やや甘口」など、辛口と甘口の中間に位置する種類も存在します。それぞれ独自の味があるため、特徴を楽しみましょう。
知っておくべきワインの用語
ワイン用語の理解は、ワイン選びに役立ちます。基本的なワインの用語は以下のとおりです。
- ヴィンテージ
- ワインボトルに表示されている年号で、ブドウが収穫された年
- アペラシオン
- ワインの産地を特定する法律によって定められた地理的表示
- テロワール
- ワインの品質や特徴を決定する土地の気候、土壌、傾斜などの環境要因
- キュヴェ
- 特定の製法や品質基準にもとづいて造られた特別なブレンドや仕込みのワイン
- タンニン
- 赤ワインに多く含まれる自然な化合物で、渋味や収斂性をもたらす成分
- ボディ
- ワインの口当たりの重さや濃厚さを示す語
- フィニッシュ
- 飲んだ後の余韻の長さや質
- オーク樽熟成
- オーク材の樽で熟成させた、香りや味わいの複雑性があるワイン
- レゼルヴァ、グラン・レゼルヴァ
- 特定の品質基準や熟成期間を満たした高品質ワイン
- スルフィット
- 酸化防止や殺菌のためにワイン製造過程で使用される添加物
おすすめワインを選ぶ際の基準


ワインを選ぶ際には、基準があります。以下の要素は、ワインの味わいや特性に直接影響を及ぼすため、適切な情報をもとに選びましょう。
- ブドウの品種
- 産地
- 価格
- ワインのラベル
» ワインの基礎知識から各種ワインの違い、選び方を詳しく解説!
ブドウの品種
ブドウの品種は、風味や香りに大きく影響を与えるため、理解しておくとワイン選びに役立ちます。さまざまなブドウの品種について、以下にまとめました。
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- 赤ワイン用、タンニン豊富、長期熟成に適する
- メルロー
- 赤ワイン用、柔らかくフルーティーな味わい、広範囲の食事に合わせやすい
- シャルドネ
- 白ワイン用、フルボディでバターやナッツの風味がある
- ソーヴィニヨン・ブラン
- 白ワイン用、酸味が強く、爽やかなハーブや柑橘類のアロマがある
- ピノ・ノワール
- 赤ワイン用、ライトボディで果実味豊か、さまざまな食材と相性が良い
- シラー
- 赤ワイン用、スパイシーでフルーティーな風味、肉料理によく合う
- リースリング
- 白ワイン用、甘口から辛口まであり、フルーティーでフレッシュな酸味が感じられる
- サンジョヴェーゼ
- 赤ワイン用、イタリア原産、チェリーや地中海のハーブの香りがある
- テンプラニーリョ
- 赤ワイン用、スペイン原産、濃厚で複雑性のある味わいがする
- グルナッシュ
- 赤ワイン用、アルコール度数が高め、甘みとスパイスが感じられる
使用されるブドウの品種によって、ワインのスタイルや味わいが異なります。ブドウの品種を理解し、自分の好みに合ったワインを選びましょう。
産地
ワインの産地や特性について、以下にまとめました。
産地 | 特徴 |
フランス・ボルドー | フルボディの赤ワインが有名で、力強い味わいと複雑性を持ち、長期熟成に最適。カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローが有名 |
イタリア・トスカーナ | サンジョヴェーゼ種を用いたキアンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノが特徴 |
アメリカ・カリフォルニア州・ナパバレー | カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなどの高品質なワインが有名。豊かな果実味と繊細なオークの香りが特徴 |
スペイン・リオハ | テンプラニーリョ種を使用した赤ワインが主流で、柔らかな口当たりと洗練された風味が特徴 |
オーストラリア・バロッサバレー | シラーズ種が有名で、力強いフレーバーと濃厚な色合いが魅力 |
ドイツ・モーゼル | リースリング種を使った白ワインが中心で、甘口から辛口まで幅広いスタイルのワインが存在 |
ワインの産地を知ると、特性を理解でき、楽しんで味わえます。
価格


ワインの価格設定は幅広いです。手頃な入門用ワインは、1本1,000〜3,000円程度で購入できます。比較的リーズナブルな価格で手に入れられるため、ワイン初心者に最適です。
中級者向けの品質が高いワインは、3,000〜6,000円程度の価格帯です。繊細な味わいを楽しめ、味の差を感じられるため、多少経験を積んだワイン愛好家に適しています。
特別な日に楽しむプレミアムワインの価格は6,000円以上です。場合によっては数万円する場合もあり、プレミアムワインの豊かな味わいは特別な体験を提供してくれます。価格はワインショップやオンラインストアで比較し、セールや割引を活用するとお得です。
ワイン選びの際は、価格帯を考慮すると自分の予算に合ったワインを見つけやすいです。予算に応じて最適なワインを選びましょう。
ワインのラベル
ワインを選ぶ際には、ワインのラベルに記載されている情報を確認しましょう。ラベルには、製造者の名前やワインが作られた地域が書かれています。ブドウの品種や収穫された年(ヴィンテージ)、アルコール度数や容量などの基本情報も理解可能です。
ワインの品質等級や認定マークが表示されている場合もあり、記載情報からワインの質を推測できます。ワインのラベルには飲み頃や、ワインと合う食事などの情報が記されている場合もあり、食事の計画を立てるのに便利です。ワインのラベル情報を読み解くことで、より適切なワインを選べます。



ワインのラベルのことを「エチケット」とも呼びます。



フランス王宮の規則書「エチケット」が語源になり、ワインのラベルも「情報を示すもの」としてエチケットと呼ばれるようになったんですよ。
シーン別おすすめワインの選び方


ワイン選びはシーンや用途に合わせて行うことが大切です。以下のシーンに応じたワインの選び方について解説します。
- 普段使いにぴったりの手頃なワイン
- 特別な日や記念日に飲みたいワイン
- ギフトや贈り物に適したワイン
- 料理に合わせたワイン
普段使いにぴったりの手頃なワイン
普段使いに最適な手頃なワインは1,000〜3,000円程度で、地元のスーパーやワインショップで容易に購入が可能です。手頃なワインは、日常の食事と一緒に気軽に楽しめます。
赤や白、スパークリングやロゼなど、どのワインでも購入できます。多くの場合、熟成が浅くフレッシュで飲みやすいです。大手ワインメーカーがリリースする、比較的安価なワインでも質が安定しています。とは言え、手頃なワインは、正直おいしくないものも多いです。



当ブログでは、ソムリエが「本当においしい」と感じたワインだけをレビュー・評価して紹介しています。



せっかくワインを買うのなら、おいしいワインを飲んでほしいです。
特別な日や記念日に飲みたいワイン
特別な日や記念日には、大事な瞬間を彩る特別なワインを選ぶことが大切です。それぞれの記念日にふさわしいワイン選びで、特別な日の記憶がより美しく、感動的な思い出になります。
バレンタインデーには、甘口の赤ワインやショコラと相性の良いフルボディのワインがおすすめです。甘くて豊かな味わいは、ロマンチックな雰囲気を高めてくれます。結婚記念日には、特別なシャンパーニュや老舗の銘柄ワインを選ぶのがおすすめです。
クリスマスの家族団らんには、みんなで楽しめる白ワインやスパークリングワインがぴったりです。誕生日には本人の好みを反映した特別な年号付きワインを選ぶと、1年に1度のお祝いを特別な思い出にできます。新年のお祝いには、新鮮な味わいのスパークリングワインやプロセッコで新たな年の幕開けを華やかに演出できます。
ワインはそれぞれのシーンにマッチした特性を持っており、記念日の雰囲気を盛り上げてくれるお酒です。特別な日には、特別なワインを選ぶことで、大事な瞬間の喜びや幸福をより深く刻めます。
ギフトや贈り物に適したワイン


ワインはギフトや贈り物として人気が高い商品です。受け手の好みや特別な日に合わせて選びましょう。市場で人気のあるワインやヴィンテージワイン、限定版のワインを選ぶのがおすすめです。ワインの包装やボトルデザインも重要で、高品質なワインを選ぶと喜ばれます。
贈り物用には、特別なラベルやギフトボックスが付いたワインが最適です。ギフト用ワインを選ぶことで、贈る相手に感謝や祝福の気持ちを伝えましょう。
料理に合わせたワイン
それぞれの料理には最適なワインが存在し、組み合わせによっては食事の味わいが格段に向上します。料理とワインのペアリングについて、以下にまとめました。
料理 | ワイン | ペアリング例 |
肉料理 | タンニン豊富な赤ワイン | ビーフステーキとカベルネ・ソーヴィニヨン |
魚料理やシーフード | 軽やかでフルーティーな白ワイン | 鮭のグリルとシャルドネ |
チーズ | 白ワインや軽めの赤ワイン | カマンベールとピノ・ノワール |
辛い料理 | 甘口のワイン | 韓国料理とリースリング |
デザート | 甘みの強いデザートワイン | チョコレートケーキとポートワイン |
ワインを選ぶ際の注意点


ワインを選ぶ際の以下のポイントや注意点について解説します。
- ワインの保存方法と寿命
- ワインをおいしく飲むための温度管理
- 開封後のワインの取り扱い
ワインの保存方法と寿命
ワインは直射日光を避け、涼しく暗い場所で保管しましょう。理想的な温度は12~14℃で、温度を一定に保つことが望ましいです。湿度は60〜70%の間を保つと、コルクが適切に機能し乾燥を防げます。
赤ワインは開封前だと数年〜数十年保存が可能ですが、開封後は品質が変化しやすく、数日間で飲みきるのが望ましいです。白ワインやロゼワインは開封前であれば数年の保存が可能ですが、開封後は2~3日以内に消費することが推奨されます。
スパークリングワインは、開封前でも早めに飲むほうが良く、開封後は24時間以内に飲みきるようにしましょう。ワインを最適な状態で楽しむためには、保管方法や寿命を押さえておくのが大切です。
» ワインの保存方法を正しく知ろう!
ワインをおいしく飲むための温度管理


ワインをおいしく味わうには、適切な温度で提供することが重要です。適切な温度で提供されることによって、ワインの香りや味が最大限に引き出され、飲む人にとって最高の体験になります。
赤ワインは18℃程度のやや涼しい室温が適温です。白ワインやロゼワインは冷蔵庫でしっかり冷やし、約8〜12℃での提供が推奨されています。スパークリングワインは、約6〜8℃の間で提供されると爽やかな泡立ちが楽しめます。
温度管理は、ワインの味わいに大きく影響するため重要です。温度が高すぎるとアルコールが前面に出て、温度が低すぎると豊かな香りや味わいが感じられなくなります。適正な温度を確認しましょう。ワインクーラーや専用のワインセラーを使うと、理想的な環境でワインを保管できます。
» ワインの飲み方やマナー、テイスティングの手順を徹底解説!
開封後のワインの取り扱い
開封後のワインは空気に触れると酸化が進み、味や香りが変わりやすくなります。開封後はできるだけ早く飲みましょう。適切な保存方法を実践すれば、白ワインは3日〜5日、赤ワインは1〜2週間、風味を保てます。
ワインはコルクまたは専用のワインストッパーでしっかり密封し、酸化を遅らせることが重要です。ワインボトルは横に寝かせて保存しましょう。コルクの乾燥を防ぎ、内部への空気の侵入を最小限に抑えられます。
ワインは温度変化が少ない冷蔵庫での保管が理想的です。冷蔵庫内では温度が一定に保たれるため、ワインの状態が安定し、風味の劣化を防げます。使用後のワイングラスの適切な洗浄も重要です。次回使用時に前回のワインの残り香が影響せず、本来の風味を楽しめます。
ワインを楽しむおすすめアイテム


ワインを存分に楽しむためには、適切なアイテムの準備が必要です。ワインの味わいを最大限に引き出せる、適切なワインアクセサリーを紹介します。
ワインアクセサリー(デキャンタ・グラス等)
ワインの味わいを引き出すには、適切なワインアクセサリーの使用が必要です。デキャンタ、ワイングラス、エアレーターなどです。
デキャンタはワインを空気に触れさせることで、若い赤ワインの味わいを柔らかくし、香りを高める効果があります。ワイングラスは形状によって、種類ごとに香りや味を最適に楽しめるよう設計されています。ワインアクセサリーを適切に用いて、ワインの魅力を最大限に引き出しましょう。
ワインセラー
ワインセラーは、ワインを最適な状態で保管するための設備です。適切な温度や湿度、照明など保存条件が整っています。
理想的な保管環境を提供するワインセラーの温度は、ワインの熟成に最も適している約12〜14℃です。湿度も70〜80%の間で保たれる環境が理想的です。コルクが適切に湿っている状態を保ち、空気がワインに触れるのを防げます。
ワインセラーでの照明にも注意が必要です。直射日光や強い光はワインに悪影響を与えるため、光の管理が不可欠です。適切なワインセラーの使用で、ワインを長期間にわたって最高の状態で楽しめます。
ワインに関するよくある質問


ワインに関するよくある質問について以下にまとめました。
ワイン購入時のよくある失敗は?
ワイン購入時によくある失敗としては、下記のようなものが挙げられます。
- 個人の好みや料理とのペアリングを考慮せずに選んでしまう
- 価格の安さだけに目を向け、質の低いワインを選んでしまう
- 知名度やブランドに惑わされて購入する
- 保存状態が悪い店舗で購入する
- 古すぎるヴィンテージを選び、劣化を見落とす
- ラベルのデザインで選んでしまう
- 長期保存を前提に購入する
ワインの購入に際しては、注意すべき点や選び方のポイントを理解しておきましょう。
未開封のワインの賞味期限は?
未開封のワインの賞味期限はワインの種類によって異なります。赤ワインの場合、適切な保存条件であれば、一般的に2〜10年程度保持することが多いです。白ワインやロゼワインは未開封状態でも、2〜3年が賞味期限の一般的な目安です。スパークリングワインに関しては、3〜5年の間が最もおいしく飲めます。
一般的な賞味期限は、高温や直射日光を避け、温度が安定した暗所で保管された場合の目安です。適した条件で保存されたワインはポテンシャルを維持しやすくなります。
まとめ


ワイン選びでは、基本的な種類や味の特徴などを把握することが重要です。各種ワインの特徴や料理とのマッチング、シーンに合わせた選び方を知ることで、ワインをより一層楽しめます。今回の記事を参考にして、あなたのワインライフを充実させてください。