初心者でもわかるフルボディワインの世界|おすすめの飲み方を解説

フルボディのワインをグラスに注ぐ

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ワインの「ボディ」という言葉をよく耳にしますが、意味を理解できていない人は多くいます。この記事では、ワインのボディの中でも、フルボディについて詳しく解説します。記事を読めば、フルボディワインの特徴や楽しみ方、料理に合うワインを知ることが可能です。フルボディのワインは、濃厚で力強い味わいが特徴です。

アルコール度数が高く、熟成期間が長いワインが多いため、深みのある味わいを楽しめます。この記事を読んで知識を身に付け、自信を持ってワインを選びましょう。
» ワインを楽しむなら知っておきたい!ワインの基礎知識を理解しよう

嫁ちゃんソムリエ

ワインのプロが、初心者の人にもわかりやすく解説します。

目次

ワインのボディに関する基礎知識

ブドウの房を手に持つ男性

ワインのボディに関する基礎知識を、以下の項目に分けて解説します。

  • ボディとはワインの味わいや風味を表現する言葉
  • ボディの種類

ボディの違いを理解すると、自分好みのワインを見つけやすくなり、ワインの奥深さをより楽しめます。
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ボディとはワインの味わいや風味を表現する言葉

ボディとは、ワインの口当たりや濃さを表現する用語です。軽い(ライト)から重い(フル)まで3段階あります。アルコール度数はボディに影響を与える要素の一つです。一般的に、アルコール度数が高いほど、ワインの口当たりは重く濃厚に感じられ、ボディが強く感じられます。

タンニンもボディを形作る重要な要素です。主に赤ワインに含まれる渋み成分で、口の中を引き締めるような感覚をもたらすのが特徴です。タンニンが多いほど、ワインの骨格がしっかりとしていて、重厚なボディとなります。果実味の強さもボディに影響します。

果実味が豊かで凝縮感があるほど、ワインの味わいに厚みが増し、ボディが強く感じられる傾向です。ボディの違いは、ブドウの品種や醸造方法によって変化し、熟成によっても変わる場合があるため注意が必要です。料理とのペアリングを考える際の重要な指標にもなります。
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ボディの種類

ワインのボディの種類は以下のとおりです。

種類特徴
ライトボディ軽い口当たりで酸味が強い
ミディアムボディ中程度の味わいでバランスが良い
フルボディ濃厚で力強い味わい

ボディだけでなく、ブドウの品種や産地、醸造方法なども味わいに影響します。

筆者

ボディは好みで選びましょう。

嫁ちゃんソムリエ

デートやビジネスでも、相手に合わせてワインを選ぶと素敵です。

フルボディの特徴と味わい

ワインをグラスに注ぐ

フルボディの特徴と味わいを解説します。

フルボディのワインの特徴

フルボディのワインは、アルコール度数が13.5%以上と高く、タンニンが豊富で渋みが強いのが特徴です。果実味が濃厚で凝縮感があり、コクがあって余韻が長く続きます。口当たりが重く、しっかりとした味わいがあるのも魅力です。色合いが濃く、深みのある外観になります。酸味は比較的控えめです。

ボディ感が強く、存在感のあるワインなので、重厚な料理と合わせるのがおすすめです。ワインの味わいを存分に楽しみたい人に向いています。

フルボディのワインの味わい

フルボディのワインは、豊かで力強い風味が特徴です。濃厚な果実味が口いっぱいに広がり、ブラックベリーやプラム、ブラックチェリーなどの味わいを感じられます。スパイシーな香りを楽しめるのも魅力です。コショウやシナモン、クローブなどの香りが複雑に絡み合い、味わいに深みを与えます。

オーク樽での熟成により、バニラやトースト、スモーキーな香りが加わり、複雑で奥行きのある味わいを生み出します。タンニンの存在感も強く、舌に心地よい渋みを感じることが可能です。アルコール度数も高めで、喉に温かみを感じます。チョコレートやコーヒーのようなニュアンスもあり、余韻も長く続きます。

ハーブやミネラルの要素も加わり、味わいがより豊かになるのが特徴です。

フルボディのワインの見分け方

ワイン 見分け方

フルボディのワインの見分け方を以下の項目に分けて解説します。

  • ブドウの品種
  • アルコール度数
  • 熟成期間

ブドウの品種

フルボディのワインを生み出す代表的なブドウ品種は、以下のとおりです。

  • カベルネ・ソーヴィニヨン
  • シラー(シラーズ)
  • マルベック
  • ネッビオーロ
  • テンプラニーリョ

フルボディのワインに使われるブドウ品種は、濃厚で風味豊かなワインを生み出します。ブドウの品種だけでなく、栽培方法や醸造技術によっても、ワインのボディは変化するのが特徴です。白ワインでもフルボディのものがあり、代表的な品種として樽熟成されたシャルドネが挙げられます。

筆者

シラーという品種は、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれます。

アルコール度数

ワイン 一滴 グラス

一般的に、フルボディのワインのアルコール度数は13.5%以上で、14%以上のワインが多くなります。アルコール度数が高いほど、ワインのボディは重くなる傾向です。ブドウの糖度が高いほどアルコール度数も高くなるためです。

筆者

フルボディのアルコール度数は目安です。ミディアムボディで13.5度以上のワインもあります。

嫁ちゃんソムリエ

甘口ワインのアルコール度数が低いのは、糖分がアルコールとなる発酵を途中で止めて甘味を残すからです。

暖かい地域で育ったブドウは糖度が高くなり、アルコール度数の高いワインになる場合が多くなります。フルボディワインを選ぶ際は、ラベルに記載されているアルコール度数を確認しましょう。多くの国では、アルコール度数の表示が義務付けられているので、簡単に確認できます。

熟成期間

フルボディのワインの熟成期間は、通常12〜24か月以上と長期にわたるのが特徴です。熟成には主にオーク樽が使われ、ワインに複雑な香りと味わいが加わります。熟成によってタンニンが柔らかくなり、まろやかな口当たりになります。

ワインのラベルに記載されているヴィンテージ(収穫年)は、熟成期間を知る手がかりです。「リザーブ」や「グランリザーブ」といった表記があるワインは、長期熟成されている傾向です。熟成期間が長くなるほど、ワインはよりフルボディになる傾向があり、熟成中にアルコール度数も上がります。

筆者

瓶詰めされたワインを熟成してもアルコール度数は変わりません。瓶詰め前に酵母は取り除かれます。

【ワイン別】フルボディの違い

たくさんのワインをテイスティングする男性

フルボディのワインの違いを、以下の項目に分けて解説します。

  • 赤ワイン
  • 白ワイン
  • ロゼワイン

赤ワイン

赤ワインは、フルボディの代表格として知られているワインです。濃厚で力強い味わいが特徴で、ワイン愛好家から人気があります。タンニンが豊富で、アルコール度数が高い(13.5%以上)のが特徴です。深みのある濃い赤色や果実味が豊かで、複雑な風味と長い余韻を持ちます。

主なブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、マルベックなどです。通常12〜24か月のオーク樽熟成を経て、深みのある味わいに仕上がります。赤ワインのフルボディを楽しむには、適切な温度管理が重要です。16〜18℃が最適な飲み頃の温度とされています。

デキャンタージュ(ワインを別の容器に移し、空気に触れさせること)を行うと、香りや味わいがより引き立ちます。赤身肉や濃厚なチーズと合わせると、ワインの魅力をより一層引き出すことが可能です。

筆者

ただし、デキャンタージュをするのはワインがまだ閉じめている場合です。

嫁ちゃんソムリエ

飲んでみてワインの風味をおいしく感じるのなら、デキャンタージュする必要はありません。

白ワイン

グラスの白ワイン

白ワインは、爽やかさと繊細な味わいが特徴的なワインです。主にソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、リースリングなどの品種から作られます。冷涼な気候で栽培される場合が多いため、フレッシュな酸味と果実味を楽しむことが可能です。

果実味や酸味、ミネラル感が絶妙に調和し、軽めから重めまで幅広いボディタイプが存在します。オーク樽で熟成させたワインは、より複雑な風味を持ちます。魚介類や鶏肉、サラダなどの軽い料理と特に相性が良く、アペリティフ(食前酒)としても人気です。提供する際は、8〜12℃程度に冷やすのが一般的です。

赤ワインと比べてタンニンが少なく、ドライからスイートまでさまざまな甘さのタイプがあります。若いうちに飲むワインが多いですが、高級品は熟成も可能です。赤ワインに次いで生産量が多く、世界中で愛されています。初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。

ロゼワイン

ロゼワインにもフルボディタイプが存在します。一般的なロゼワインは軽やかで爽やかな印象がありますが、フルボディのロゼワインは赤ワインに近い濃厚さと複雑さを持ちます。濃いサーモンピンクや深いローズ色をしており、アルコール度数が高め(13~14%程度)です。

果実味が豊かで凝縮感があり、タンニンもしっかりと感じられます。スペインのテンプラニーリョ種を使用したロゼワインや、イタリアのアマローネ・ロゼなどがあります。赤ワインが苦手な人でも楽しめる選択肢です。ただし、一般的なロゼワインとは異なる特徴を持つため、購入する際は注意しましょう。

フルボディのワインを楽しむポイント

ワインを屋外で楽しむ人達

フルボディのワインを楽しむポイントは以下のとおりです。

  • 空気に触れさせる
  • 大きめのグラスで飲む
  • 味や香りの変化を楽しむ

空気に触れさせる

ワインは空気に触れることで、香りや味わいがより一層引き立ちます。ワインを空気に触れさせる方法は以下のとおりです。

  • ワインを注いだ後にグラスを回す
  • ボトルを開けてから時間を置く
  • ワインエアレーターを使用する
  • グラスに注いだ後しばらく置いてから飲む

特にフルボディのワインは、空気に触れさせることでタンニンが和らぎ、まろやかな味わいになります。空気に触れさせる時間は、ワインの種類や年代によって異なります。若いワインなら15分程度、熟成したワインなら1時間以上置くのがおすすめです。

筆者

エアレーターとは、ワインボトルの口もとにつける注ぎ口のことです。「ポアラー」と呼ばれることもあります。

嫁ちゃんソムリエ

ポアラーはワイン以外にも使われており、調味料のボトルに付けることもできます。

大きめのグラスで飲む

大きなワイングラス

口径が大きいグラスを選ぶと、ワインが空気に触れる表面積が増えます。ワインが開き、複雑な香りや味わいをより深く楽しむことが可能です。グラスを大きく傾けなくても香りが立ち上ってくるので、より気軽に香りを楽しめるのも魅力です。ワインの温度上昇を抑えられるため、味わいや香りの変化を長時間楽しめます。

グラスの形状によって、舌のどの部分にワインが当たるかをコントロールできるのも興味深い点です。ワインの旨味や甘味、酸味のバランスをより良く感じられます。

筆者

舌には味覚を感じる「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官があり、ワインを舌で転がすとさまざまな風味を感じることができます。

嫁ちゃんソムリエ

舌で感じる味覚は、甘味、塩味、旨味、酸味、苦味の5つです。

味や香りの変化を楽しむ

時間の経過とともに、ワインの香りや味わいが変化していくため、変化を観察し味わうことで、より感動的な体験が可能です。グラスに注いだ直後と時間が経った後の香りを比較したり、温度が上がるにつれて変化する味わいを感じ取ったりします。

グラスを回して香りの広がりを楽しんだり、少量ずつ飲んで味わいの複雑さを堪能したりするのもおすすめです。味や香りの変化を楽しむには、ゆっくりと飲むことが大切です。友人と一緒に飲む場合は、それぞれが感じた変化について意見交換をすると、より深い理解と楽しみ方ができます。

フルボディのワインに合う料理

羊肉 野菜 まな板 ワイン

フルボディのワインに合う料理は以下のとおりです。

  • 重厚な赤身肉料理
  • 濃厚なチーズ
  • トマトベースのリッチなパスタ

料理とのペアリングを楽しむと、ワインの味わいをより深く堪能できます。

重厚な赤身肉料理

重厚な赤身肉料理は、フルボディのワインと相性抜群です。力強い味わいのワインが、肉の旨味を引き立てます。ワインと合う肉料理は以下のとおりです。

  • ステーキ
  • ローストビーフ
  • ラム肉のグリル
  • 牛肉の赤ワイン煮込み
  • ビーフシチュー

肉料理はタンパク質と脂肪が豊富なので、ワインのタンニンと絶妙なバランスを取ります。成された赤ワインは、肉の旨味をさらに引き出します。特別な日のディナーやパーティーにぴったりです。

嫁ちゃんソムリエ

和牛の焼肉やハンバーグステーキなど、比較的軽めの赤身肉料理には、ミディアムボディのワインがおすすめです。

筆者

料理の重さに合わせて、ワインを選ぶのがポイントになります。

濃厚なチーズ

たくさん チーズ 籠

濃厚なチーズは、フルボディのワインと相性が抜群です。チーズの濃厚な味わいとワインの力強さが見事に調和します。特におすすめなのは以下のチーズです。

  • 熟成したチェダーやゴーダ
  • ブルーチーズ
  • パルミジャーノ・レッジャーノ
  • ペコリーノ・ロマーノ

ワインの豊かな風味を引き立てる一方で、ワインもチーズの複雑な味わいを一層際立たせます。チーズの種類によって、合わせるワインを変えるのも楽しみ方の一つです。ブルーチーズには、赤ワインよりも甘口の白ワインが合う場合があります。

トマトベースのリッチなパスタ

トマトベースのリッチなパスタは、フルボディのワインと相性抜群です。トマトソースの濃厚さとワインの力強さが見事に調和します。赤ワインのタンニンがトマトの酸味を和らげるため、バランスの取れた味わいを楽しむことが可能です。

パスタの炭水化物がワインのアルコールを中和し、ハーブやスパイスの風味がワインの複雑さを引き立てます。チーズやオリーブオイルの脂肪分がワインのボディ感を補完し、パンチェッタやサラミなどの肉類との相性も良好です。ガーリックやオニオンの香りがワインの果実味を引き出します。

パルメザンチーズの塩味がワインの味わいを引き締めるので、より深みのある味わいになるのも魅力です。トマトの酸味とワインのフルーティさが調和し、パスタの食感とワインのなめらかさが口中で融合します。

まとめ

グラスワイン 赤 白

フルボディワインの濃厚で力強い味わいは、品種やアルコール度数、熟成期間で見分けることが可能です。赤や白、ロゼそれぞれにフルボディタイプがあるので、好みに合わせて選べます。デキャンタージュや大きめのグラスを使うと、フルボディワインの風味をより引き立てられます。

赤身肉や濃厚なチーズなど、味の濃い料理と相性が良いので、食事と一緒に楽しむのもおすすめです。フルボディワインは初心者でも十分に楽しめますが、魅力に気づくまで少し時間がかかるかもしれません。しかし、奥深い世界が広がっているので、さまざまな銘柄を試して、お気に入りを見つけてください。

フルボディのワインをグラスに注ぐ

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この記事を書いた人

日本ソムリエ協会認定のソムリエ夫婦です。
プロの感性を活かして、本当に美味しいワインをご紹介。
ただのレビューサイトではなく、ワインの基礎も分かりやすく学べます。
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