シャルドネとは?特徴や食べ合わせのよい料理・選び方のコツを徹底解説!

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ワインを楽しみたくても、種類が多すぎて選び方に戸惑う人は多くいます。中でも「白ワインの女王」と呼ばれるシャルドネは、特徴や楽しみ方を正しく理解している人は少ないのが現状です。この記事では、シャルドネの特徴や選び方、楽しみ方を解説します。

記事を読めば、シャルドネの魅力を十分に理解でき、自信を持ってワインを選べるようになります。ワインと共に豊かな日々を楽しみましょう。
» ワインを楽しむなら知っておきたい!ワインの基礎知識を理解しよう

嫁ちゃんソムリエ

ワインのプロが、初心者の人にもわかりやすく解説します。

目次

シャルドネとは「白ワインの女王」と呼ばれるブドウ品種

シャルドネの房 ブドウ畑

シャルドネは、世界中で愛される「白ワインの女王」と呼ばれる代表的なブドウ品種です。シャルドネについて理解しておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • シャルドネの特徴
  • シャルドネの主な産地
  • 他の白ワインとの違い

シャルドネの特徴

シャルドネは、フルーティーで豊かな味わいを楽しめます。柑橘系やリンゴ、洋ナシなどの果実味が感じられ、酸味と果実味のバランスが特徴です。オーク樽で熟成させると、バニラやバターの風味が加わり、より濃厚な味わいになります。軽快なタイプから濃厚なタイプまで、さまざまなスタイルを楽しめるのが魅力です。

単一品種ワインとしても、ブレンドワインとしても広く親しまれています。気候によっても味わいが変わります。冷涼な気候では酸味が強く、温暖な気候では果実味が豊かになるのが特徴です。テロワール(土地の特性)が色濃く反映され、産地ごとの個性が際立ちます。

筆者

テロワールによって、同じシャルドネでも風味はまったく違います。テロワールを楽しめるのがシャルドネの魅力と言ってもよいでしょう。

嫁ちゃんソムリエ

テロワールによって風味が大きく変わることから、シャルドネの特徴は「個性がないこと」という表現もされます。

シャルドネの主な産地

シャルドネと地球儀

シャルドネの代表的な産地は、以下のとおりです。

  • フランス・ブルゴーニュ地方
  • アメリカ・カリフォルニア州
  • オーストラリア
  • チリ
  • イタリア
  • スペイン

世界各地の気候や土壌の特徴を活かしたシャルドネワインが生産されています。ブルゴーニュ地方は、シャルドネの原産地として知られ、最高級のシャルドネワインを生み出す地域です。近年では、新興国でも高品質なシャルドネワインの生産が進んでいます。

他の白ワインとの違い

シャルドネは他の白ワインと比べて、豊かな果実味が特徴です。リンゴやレモン、洋ナシやパイナップル

などの香りが、シャルドネの魅力を際立たせます。酸味が少なく、まろやかな口当たりで、ワイン初心者にも親しみやすい味です。

シャルドネはフルボディ(※1)の白ワインが多く、他の白ワインよりも幅広い料理に合わせやすいのが特徴です。オーク樽での熟成ではバニラの香りが加わり、複雑な風味が生まれます。熟成が進むと蜂蜜やナッツの風味が現れ、味に深みが増します。産地や醸造方法による味わいの変化を楽しめるのも大きな魅力です。
» 濃厚で力強い味わい!フルボディの魅力を知ってワインを楽しもう

※1 フルボディとは、コクが深く濃厚で力強い、重みや渋みのあるワインを指します。

シャルドネの醸造方法の種類

ワイン カーヴ 樽

シャルドネの醸造方法の種類は、以下のとおりです。

  • オーク樽
  • ステンレスタンク
  • マロラクティック発酵

オーク樽

シャルドネをオーク樽で熟成させると、バニラやトースト、スパイシーな香りが加わります。樽熟成では、新樽と古樽の組み合わせで風味に変化をつけたり、樽の焦がし具合によって香りや味わいを調整したりできます。アメリカンオークとフレンチオークでは、異なる味わいが生まれるのも魅力の一つです。

熟成期間は数か月から1年以上と幅広く、産地や醸造家のスタイルによって異なります。一方で、樽を使いすぎると、ワインの個性が失われる可能性があるため、注意が必要です。樽熟成シャルドネはバターのような風味になることもあり、多くの愛好家に好まれます。

樽熟成にはコストがかかるため、高価格帯のワインに多く見られます。

筆者

樽の焦がしを「トースト」と呼び、ライト→ミディアム→ヘビーの順に焦がし度合いは高くなります。

嫁ちゃんソムリエ

フレンチオークの特徴は、バニラやトーストの香りで上品なタンニン。アメリカンオークは、バニラに加えココナッツや力強いタンニンに仕上がります。

ステンレスタンク

ステンレスタンク

ステンレスタンクを使った醸造方法は、フルーティーでフレッシュな風味が特徴です。ステンレスタンクは、清潔で衛生的な環境を提供でき、温度管理が容易です。ミネラル感や酸味を強調し、果実の純粋な味わいを表現できます。軽やかで爽やかな風味により、若飲みのワイン(※2)に適しています。

オーク樽と比べると、ステンレスタンクはコストが比較的安いため、大量生産が可能です。軽めの料理や魚介類との相性も良く、さまざまな食事シーンでワインを楽しめます。

※2 若飲みのワインとは、製造されてから間もない、まだ熟成が進んでいないワインを示します。

マロラクティック発酵

マロラクティック発酵は、ワインの味わいを大きく変える重要な醸造プロセスです。乳酸菌がワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変換すると、以下の効果が得られます。

  • 酸味が和らぐ
  • 口当たりがクリーミーになる
  • バター風味が付加される

マロラクティック発酵は主に赤ワインで行われますが、シャルドネにも適用できます。シャルドネに使用すると、複雑さと豊かさが増し、より深みのある味わいになるのが特徴です。発酵の温度や期間によって風味が変化するため、ワインメーカーは意図的に発酵方法を選択します。

シャルドネにおすすめの料理

白ワイン 料理

シャルドネは、魚介類や鶏肉、クリーミーな料理と相性が良いワインです。シャルドネにおすすめの料理は、以下のとおりです。

  • 魚介類・鶏肉
  • チーズ・クリームソース
  • 野菜料理

魚介類・鶏肉

シャルドネは、魚介類や鶏肉とよく合います。おすすめの料理は以下のとおりです。

  • 魚介のカルパッチョやタルタル
  • 寿司や刺身
  • グリルした魚
  • シーフードパスタ
  • 魚介のリゾット

シャルドネは、白身魚やシーフードの風味を引き立てる特徴があります。タラやヒラメ、カレイなどの白身魚料理と一緒に楽しむと、魚の繊細な味が引き立ちます。エビやカニ、ホタテなどとよく合い、シーフードの甘みとシャルドネの果実味が調和するのも魅力です。牡蠣やムール貝などの貝類ともよく合います。

ローストチキンとの組み合わせも絶品です。シャルドネの酸味と果実味により、鶏肉の旨味が増します。鶏肉のクリームソース料理と合わせると、シャルドネの魅力がより一層引き立ちます。

チーズ・クリームソース

白ワイン チーズ

シャルドネは、チーズやクリームソースを使った料理との相性が抜群です。豊かな風味と酸味が、クリーミーな料理の濃厚さを引き立てます。シーフードのクリームソース料理やチーズフォンデュ、カルボナーラなどのクリーミーなパスタとの組み合わせがおすすめです。

グラタンやドリア、ホワイトソースを使った料理全般ともよく合います。シャルドネは、バターやクリームを使った料理の風味を引き立てる効果があるためです。リッチな味わいのシャルドネほど、クリーミーな料理に向いています。

野菜料理

野菜料理は、シャルドネの爽やかな酸味と相性が良く、ワインの味わいを引き立てます。以下の料理がおすすめです。

  • グリーンサラダ
  • ロースト野菜(ズッキーニやナス、パプリカなど)
  • アスパラガスのグリル
  • キノコのソテー
  • カボチャのスープ

野菜料理は、シャルドネの果実味や樽の香りと調和し、味わいを豊かにします。ホウレン草のクリーム煮やブロッコリーのオーブン焼きなど、クリーミーな料理ともよく合います。

シャルドネの選び方

好みのシャルドネワインを見つけて微笑む男性

シャルドネを選ぶ際には、以下のポイントを押さえましょう。

  • 産地
  • 価格帯
  • 成熟度

産地

シャルドネは世界中で生産されていますが、代表的な産地はフランスのブルゴーニュやシャブリ、シャンパーニュです。冷涼な気候を活かした高品質なシャルドネが特徴です。アメリカのカリフォルニア州(ナパ・ヴァレー)やソノマでも、シャルドネが作られています。

オーストラリアのヤラ・ヴァレーやマーガレット・リヴァーも、シャルドネの名産地です。チリやイタリア、ニュージーランドなどでも生産が可能です。世界各地の産地では、気候や土壌の特性を活かした個性豊かなシャルドネが生産されています。

価格帯

プライス お金 電卓 ボールペン

シャルドネの価格帯は、品質や産地によって大きく異なります。一般的な価格帯の分類は、以下のとおりです。

価格帯おすすめポイント
1,000~2,000円コスパ重視の普段飲み用に適している
2,000〜5,000円品質と価格のバランスが良い中級ワイン
5,000〜10,000円特別な日やギフト用の高級ワインとしておすすめ
10,000円以上プレミアムな味わいを求めるときに選ばれる

価格と品質は比例せず、地域や生産者によって価格が大きく変わる点に注意しましょう。自分の好みや予算に合わせて選ぶのが大切です。初心者は2,000〜5,000円の価格帯がおすすめです。品質と価格のバランスが良く、シャルドネの特徴を十分に楽しめます。

成熟度

シャルドネの成熟度は、ワインの味わいと香りに大きな影響を与えます。若いシャルドネは、フレッシュで果実味豊かな味わいが特徴です。中程度の熟成を経ると、複雑さが増し、バランスの良い味わいに変化します。長期熟成したシャルドネは、ナッツやハチミツのような風味が現れ、より深みのある味わいを楽しめます。

オーク樽で熟成させた場合、バニラやトーストの香りが加わり、より複雑な味わいになるのが特徴です。産地によっても成熟度の特徴が異なります。冷涼な産地のシャルドネは酸味が際立ち、温暖な産地のシャルドネは果実味が豊かになる傾向があります。

適度な熟成期間は3〜5年程度ですが、熟成しすぎると風味が損なわれる可能性があるため注意が必要です。

シャルドネの楽しみ方

シャルドネ ボトルとグラス 本

シャルドネを最大限に楽しむために知っておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 最適な保存・保管方法
  • 適したグラスの選び方
  • おいしく飲むための温度

最適な保存・保管方法

シャルドネを最適な状態で保存・保管するためには、適切な温度管理が欠かせません。冷蔵庫なら10~12℃に保ちましょう。横向きに寝かせて保管すると、コルクが乾燥せず高品質な状態を保てます。直射日光は避け、振動の少ない場所に置くのも大切です。湿度は60~70%程度に維持します。

開栓後は真空ポンプで空気を抜きましょう。できるだけ1週間以内に飲み切り、強い匂いのものから離して保管します。長期保存する場合は、ワインセラーの利用がおすすめです。

» ワインの栓の種類と具体的な開け方を徹底解説!

筆者

コルク栓のワインの保存は、匂いのあるものと一緒に保存するのは避けましょう。味わいに影響します。

嫁ちゃんソムリエ

買ってすぐ飲むなら、冷蔵庫で十分です。

適したグラスの選び方

シャルドネ 最適なグラス 種類

適切なグラスを選ぶと、シャルドネをより楽しめます。シャルドネに適したグラスのポイントは、以下のとおりです。

  • 白ワイン用で中型
  • 狭い口径
  • 軽くて薄手
  • クリスタルガラス製
  • チューリップ型やエッグ型

容量は300〜400ml程度のものがおすすめです。ステムが長めのグラスを選ぶと、手の温度がワインに伝わりにくく、適温を保てます。縁が薄く、なめらかなリップのグラスは、ワインの口当たりをなめらかにする効果があります。シャルドネの色合いを楽しむためには、透明度の高いグラスがおすすめです。

ボウルが丸みを帯びているグラスは、ワインを回しやすく、香りを立たせるのに適しています。
» 【初心者向け】ワイングラスの種類と選び方を解説

美味しく飲むための温度

シャルドネを美味しく飲むための適温は、8〜12℃です。白ワインは冷やしすぎると香りが閉じてしまうため、冷蔵庫から出して15〜20分程度置きましょう。温度が上がるにつれて香りが豊かになり、飲み進めながら味わいの変化を楽しめます。夏は少し冷やし、冬は少し温めるなど、季節に合った楽しみ方が可能です。

樽熟成タイプのシャルドネは、少し高めの温度で飲むと香りが引き立ちます。ステンレスタンク熟成タイプは、低めの温度で飲むのがおすすめです。

シャルドネに関するよくある質問

白ブドウ 白ワイン

シャルドネに関するよくある質問を以下にまとめました。

シャルドネとソーヴィニョン・ブランの違いは?

シャルドネとソーヴィニョン・ブランは、白ワインの代表的な品種です。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

香りと味わい
シャルドネはリンゴやバターのような豊かな香りで、フルボディで濃厚な味わいを楽しめます。ソーヴィニョン・ブランは草や柑橘系の爽やかな香りがあり、ライトボディでさっぱりとした味わいが特徴です。
産地
シャルドネは世界中で栽培されていますが、ソーヴィニョン・ブランはフランスやニュージーランドが主な産地です。
醸造方法
シャルドネは樽熟成される場合が多く、複雑な風味が生まれます。ソーヴィニョン・ブランはステンレスタンクで醸造されるケースが多く、フレッシュな味わいが特徴です。
料理との相性
シャルドネは濃厚な料理に合いますが、ソーヴィニョン・ブランは軽い料理に向いています。
熟成
シャルドネは熟成可能ですが、ソーヴィニョン・ブランは若飲みが一般的です。
価格帯
シャルドネは幅広い価格帯で展開されていますが、ソーヴィニョン・ブランは比較的安価なタイプが多くあります。

シャルドネはどれくらい熟成させるといい?

ワイン 熟成樽

シャルドネの熟成期間は、ワインの品質や製法によって異なります。若いシャルドネは1~3年で飲み頃を迎えますが、高品質のものは5~10年の熟成が可能です。オーク樽で熟成させたシャルドネは長期熟成に適していますが、ステンレスタンクで熟成させたタイプは若飲みがおすすめです。

熟成によってワインのフルーティーな味わいは減少し、複雑さが増していきます。熟成しすぎると風味が失われる可能性があるため、注意が必要です。熟成期間の選び方は、個人の好みや料理との相性によっても変わります。ヴィンテージ(収穫年)も熟成期間の目安になります。

シャルドネはどんなときに飲むのがベスト?

シャルドネは、以下のシーンで飲むのがおすすめです。

  • 食前酒として軽い前菜と一緒に飲む
  • 魚介料理や鶏肉料理と合わせて飲む
  • チーズやクリームソースを使った料理と合わせる
  • 夏の暑い日に冷やして楽しむ
  • 特別な日や祝い事の席で飲む
  • リラックスしたい夜にゆっくりと味わう
  • ワインテイスティングやワイン会で楽しむ
  • ビジネスディナーや接待の場で活用する

パーティーやイベントでの乾杯用としても人気があります。休日のブランチやピクニックなど、カジュアルな場面でもおすすめです。

まとめ

白ワイン グラス 食卓

シャルドネは白ワインの代表的な品種で、多様な味わいを楽しめます。オーク樽やステンレスタンクなどの醸造法によって風味が変わるため、好みに合わせて選びましょう。魚介類や鶏肉、チーズ料理との相性が良く、幅広い料理に合わせやすいのが特徴です。

産地や価格帯、成熟度を考慮して選べば、自分好みのシャルドネが見つかります。適切な保存方法と温度管理で、シャルドネの魅力を最大限に引き出せます。他の白ワインとの違いを理解し、シーンに合わせて選択しましょう。適した熟成期間や飲み頃を知ると、シャルドネをさらに深く味わえます。

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この記事を書いた人

日本ソムリエ協会認定のソムリエ夫婦です。
プロの感性を活かして、本当に美味しいワインをご紹介。
ただのレビューサイトではなく、ワインの基礎も分かりやすく学べます。
ワインを自分で選べるようになりたい人は当ブログをお役立てください!

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